『ゲリラ離婚』回避マニュアル
〜周りの人間を心理誘導し、「昨日の敵は今日の味方」を実現する
3つの方法〜

■ 「かわいそうな私」のために人一倍、頑張ってくれるという淡い幻想



彼女は「2つの理由」で焦っていました。


彼女に与えられた時間は残りわずかだったのです。


1つは、夫が彼女の知らないところで離婚調停を申し立てており
1回目の調停まで、もう1ヶ月もなかったのです。



2つ目は娘さんのことです。


先週
、学校から呼び出されて、
娘さんが学校に来ていないと
告げられたそうで。


離婚寸前の父親と母親の間で
板ばさみになれば、精神的にダウン
するのも無理はありません。


受験を控えた大事な時期に、
不登校
なんて・・・




彼女はただでさえ、離婚調停の直前で、
ただならぬストレスに苛まれていたのに
娘さんの心配だけでなく、探偵の不手際に悩まされるという
トリプルパンチを食らわされた格好です。




「かわいそうなアタシ」のために、探偵さんは人一倍、頑張ってくれると信じていました。
それなのに、なんで放置プレイされるの!ふざけないで!!』



彼女が烈火のごとく怒るのも
無理はありませんでした。
「昨日の味方は今日の敵」まさにゲリラ離婚そのものです。



結局、探偵から「例のもの」が届いたのは、あれから4週間後のことでした。


しかも、これだけ首を長くして待ちくたびれたにも関わらず、
その中身は彼女をガッカリさせるに十分でした。


「アタシが欲しいのは、ラブホテルやオンナの部屋の写真なんです。
それがゲットできないんじゃ、何のために依頼したのか分かりません。」


◆ なぜ、彼女はカンカンに怒っているのでしょうか?


探偵
が送りつけてきた写真には、
決定的な「手落ち」があったのです。


スーパーで楽しそうに買い物をしたり、
夫の車に同席したり、一緒に会社から
出てきたり・・・


確かに「ただならぬ関係」なのは
一目瞭然ですが、肝心の「肉体関係」
抜け落ちており
証拠としては不十分なのです





■ 彼女が300万円をドブに捨てた本当の理由


さらに彼女を奈落の底に突き落としたのは「請求書」です。


なんと写真と一緒に240万円の請求書が入っていたのです。
確かに彼女は探偵に依頼するとき、
「1週間につき60万円」と説明されたそうです。



◆ ごくごく常識的に考えて、どうなのでしょうか?


1週間が過ぎた時点で、探偵から彼女に対し、何の相談もなかったのです。
今後も尾行を続けるのか、それとも、ここでいったん止めるのか。


あろうことか、探偵は勝手に尾行を続け、
どんどん料金が上乗せされていったわけです。


だから
、彼女は探偵にこう言って
やったそうです。


「お金払っているんだから、
ちゃんとやって下さい!そんなんじゃ、
詐欺ですよ!!」と。





 しかし、しかし、しかし、どういうことでしょうか?



彼女はあれだけ激怒し、探偵をシバき倒したにも関わらず、240万円もの大金を
すんなり払ってしまったのです。




なぜなら、探偵は彼女の「心の弱み」
ちゃっかり付け込んできたからです。


あと1週間あれば、奥さんの望むような写真を撮れるかもしれない」と。




彼女がその「甘い誘い」が助け船なのか、泥船なのか
見分けることなど不可能でした。




不登校の娘を抱え、抗がん剤の治療を続けながら、
夫の浮気の真偽を確かめようとするのだから
もう頭も心も一杯一杯だったのです。



彼女はゲリラ離婚に陥るべくして陥ったのです。


だから、彼女は240万円はもちろんのこと、
さらに60万円(1週間の追加分)を
上乗せして即金で300万円を振り込んで
しまったのです。




それは本当は娘さんの大学資金として
貯めておいたお金なのに。


■ ×「3度目の正直」 ○「2度あることは3度ある」



やはり、案の定でした。



彼女はもう1度、探偵を信じてあげたのに、
果報は寝ても、やって来なかったのです。




結局、また1週間が過ぎ、調停の「その日」をむかえるという最悪の結末に。
本当なら強力な武器となるはずの「白黒の証拠」を手に入れられずに、です。





彼女は探偵に電話をすると、
どこで衝撃的なメッセージが

「お客様のおかけになった番号は
現在、使われておりません。」



しかも、探偵のオフィスは、
すでに「もぬけの殻」で、そこには
誰もいなかったのです。


文句を言いたくても「言う相手」さえ、
存在しない
という、悲惨な光景でした。
それはまさにゲリラ離婚そのものでした。


しかも、彼女はやることなすこと、すべて裏目裏目、でした。


離婚調停では300万円の使い道を指摘され、
答えに窮してしまったのです。


まさか「探偵に騙されて300万円をドブに捨てた」なんて口が裂けても言えません。




だから、300万円を穴埋めするため、実家に泣きついたのですが
「大金を勝手に浪費する妻」というレッテルを貼られ、彼女は「母親なのに」
娘さんの親権を得ることができなかったのです。



しかも、調停の直後、病院の検査で
癌の転移が見つかったそうです。
もう本当に踏んだりけったり、です。




「かわいそうなアタシ」をカモにするなんて、
あまりにも酷い!酷すぎる!!』



彼女はそうやって声を荒げますが、
やはり、何も分かっていなかったのです。




世の中には「かわいそうな人」に手を差し伸べる人もいれば、「かわいそうなのを」
いいことに地獄に突き落とす人もいるのです。




つまりかわいそうだからこそ、詐欺師に引っかかってしまうリスクは
倍増するのです。



そして彼女がしくじったせいで、「騙されるリスク」は倍々に増えたのですが
何がいけなかったのか、あなたは分かっているでしょうか?




「口は災いの元」とは、まさにこのことです。



かわいそうな人ほど、ゲリラ離婚を回避できない・・・
残酷ですが、それが世の中の常なのです。

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