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97.離婚後、住宅ローンの債務者から抜けたい場合 <露木幸彦からの回答> 返済比率とは年収に対する住宅ローンの年間返済額の割合をいいます。 元夫の年収で足りないのであれば、2つ方法があります。 1.あなたの代わりの誰かを連帯債務者として連れてくる。 もし元夫の再婚予定者がいるようであれば、その方を もしいないようでしたら両親を。ただ両親の場合、住民票をその物件に移すことができないため銀行がOKを出すからは微妙なところです。 2.支払条件の変更を申し入れる 条件変更といいます。 住宅ローンの支払い期限を延長することで、年間返済額を減らします。 年間返済額が減れば、銀行規定の返済比率に入るかもしれません。 ただ住宅ローンの場合、期間の経過で物件の価値が下がりますので 支払い期限の延長を嫌います。 OKが出るかどうかは担当者の判断です。 ■ 物件そのものの名義を前夫に譲渡することは可能だと思うのですが、ローンについて 譲渡が出来ない以上、名義を譲渡するのは得策ではないですよね? あなたが債務者のまま、元夫に所有権移転するということは 「タダで持分をあげる」のと同じことです。 また「離婚時の財産分与として所有権移転しました」という書面(できれば公正証書)を作成しないと多額の贈与税がかかりますので、注意が必要です。 手続き自体はそれほど難しくはありませんが 現時点で移転するのは得策ではありませんね。 売却して利益が出れば、持分割合に従って、按分します。 逆に住宅ローンが残ってしまっても持分割合に従って、按分します。 この点については事前に売却金額を予想しておく必要があります。 ■ 条件変更をする場合、私の名前で組んでいるローンに関する返済方法 を変更することとなりますか?または、前夫の名前で組んでいるローンも含まれ ますか? トータルで考えます。元夫とあなたの両方です。 原則、住宅ローンの返済期限の最大は30年ですから、30年として計算します。 そうすると現状よりは年間返済額が減少します。 減少した年間返済額が元夫単独の年収に対して、20〜30%に入っていれば あなたが債務者から抜けることができます。 数字に開きがあるのは銀行によるからです。 ただこの方法は銀行が嫌がますし、どうしてもという場合しかOKを出さないので まずは連帯債務者を探すのが順番です。 ■ 前夫は既に再婚しておりますが、再婚相手が外国人でパートの職業に就いている ようです。このような相手が連帯債務者となることは可能なのでしょうか。 パートですと連帯債務者にはなれませんが、連帯保証人でしたら可能です。 連帯保証人の場合、年収の半分を主債務者(=元夫)の収入に合算します。 この年収が上記のように年間返済額の4〜5倍でしたら、借り換えが可能ということです。 なお外国人ですので、日本国籍が必要となります。 ■ これは(マンションの財産分与)離婚後に事後作成しても問題ない書面なのでしょうか? 離婚後でも問題ありません。 離婚に際して不動産の財産分与があった場合は、税務調査が入る可能性が高いです。 何か書面を作成しておかないと、反論ができなくなります。 ■ 今後一切金銭的支払いを行わないこと 現状では、「別の連帯債務者を探す」「条件変更をする」の方法がとれなければ債務者・所有者ともにあなたが抜けることはできません。 それでもローンを払いたくないのであれば、払わないことです。 名前だけ債務者として残しておき、実際には元夫に払わせます。 もちろん口約束では怖いので、書面にします。 すでに夫婦ではないので、元夫が妻のローンを返済すると贈与税がかかります。 ただ贈与税は年間110万円までは非課税ですので、上手く金額を調整すれば 問題ありません。 |
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