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10年後に後悔しない離婚情報の玉手箱 <離婚年金分割の巻>

離婚年金分割、隠された問題点とは?



さて新しい制度が出来ると、いろいろ騒がれますね。
現場としては、試行錯誤して、その制度の運用方法を見出していきます。



今年4月に新設された「年金分割制度」も、早くも6ヶ月
実際にやってみると、意外に難しいケースが出てきました。
今日はその1つをご紹介しましょう。




年金分割はご存知の通り、相手方の厚生年金部分を、
最大2分の1まで分割するものです。
この効力を発生させるには、2つの手続が必要になります。



公正証書を作成する
離婚後、社会保険事務所に申請をする。

この2つです。





それでは順番に見ていきましょう。



公正証書とは、全国にある公正役場の公証人がお墨付きを与えた公的書面です。
年金分割の場合、必ず『公正証書』を作成しなければならない、と決まっています。
自分たちで作成した念書や誓約書では、ダメです。




また公正証書を作成すれば、自動的に年金が分割されるというわけではありません。
もう1手間加える必要があります。



離婚後、社会保険事務所に
公正証書
離婚後の戸籍謄本
・年金手帳
・認印
を持参し、申請する必要があります。


なぜ「離婚後」なのか?
離婚後の戸籍謄本」が必要だからです。




つまり公正証書作成と社会保険事務所への申請には
タイムラグが発生します。
離婚後の戸籍謄本は、離婚と同時に取得できないからです。
(役所によりますが、2〜3日かかります)




例えば・・・・

公正証書の署名が10月1日
離婚届提出が10月5日
社会保険事務所の申請が10月15日
といった具合です。




ただ離婚手続はそう、すんなりとは行きません。
これは世間一般が考える、楽チンなケースです。


例えば・・・
実際には公正証書の署名は10月1日
離婚届提出が来年3月31日
社会保険事務所の申請が4月15日


こんな事例もあるのです。



「そんな稀なケースが本当にあるのか?」

「何で署名から離婚の間で、年を越しているんだ?」

そう疑われるかもしれません。



ただ、実際、存在するのだから仕方がありません。
当事務所では、このような手順で進めて欲しいと依頼されたケースが
過去3件あります。

今後も同様の依頼は来るでしょう。



ここで問題になるのは、「分割の対象になる期間」です。
年金分割の対象になるのは、婚姻期間内に納めた厚生年金部分です。
上記のような順で進めたとして


・入籍日から公正証書の署名まで
・入籍日から社会保険事務所の申請まで



あなたさん、どちらなのでしょうか?

上記の例でいえば、
10月1日と4月15日では半年ありますから
偉い違いです。
もらえる年金の金額が変わってきます。




実のところ、私も分かりませんでした。
さらに社会保険事務所の課長クラスも分かりませんでした。


社会保険庁に質問状を送りつけ、昨日、答えが返ってきました。
その答えとは・・・


【 入籍日から社会保険事務所の申請まで 】


これが正解です。



先に公正証書だけは作ってしまおうと考えている方。
年金分割で不利になってしまうかも」という心配はいりません。


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